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技術系のこと書きます。

Python

Polars と PySpark / スケールアップとスケールアウト

これは Polars Advent Calendar 2023 の 4 日目に対応したエントリです。 qiita.com Polars と PySpark は操作方法が似ていると言われることがある。 そこで、今回はいくつかの基本的な操作について、実際に両者でコードを比較してみた。 また、それぞれの思…

Python: scikit-learn の set_output API で pandas との食べ合わせが改善された

これまで scikit-learn が提供する TransformerMixin の実装 1 は、出力に NumPy 配列を仮定していた。 そのため、pandas の DataFrame を入力しても出力は NumPy 配列になってしまい、使い勝手が良くないという問題があった。 この問題は、特に Pipeline や…

Python: tarfile で tar ファイルを圧縮・展開する

Python の標準ライブラリには tarfile というモジュールがある。 このモジュールを使うと tar 形式で複数のファイルをまとめることができる。 また tarfile モジュールは gzip や bzip2 といった形式の圧縮・展開もサポートしている。 今回は、そんな tarfil…

GCP: Cloud Functions で Cloud Storage にオブジェクトを保存する

今回は Google Cloud の Cloud Functions で実行した処理の中で Cloud Storage にオブジェクトを保存する方法について。 Cloud Functions で実行した何らかの処理の成果物を保存する先として Cloud Storage を使うイメージになる。 操作は、基本的に Google …

Python: lhafile で LZH フォーマットの圧縮ファイルを展開する

一昔前の日本では、ファイルの圧縮に LZH フォーマットがよく使われていた。 今ではほとんど使われることが無くなったとはいえ、しぶとく生き残っているシステムもある。 今回は、そうしたシステムからダウンロードしたファイルを Python の lhafile で展開…

GCP: Cloud Functions を Cloud Scheduler から定期実行する

何らかの処理を定期的に実行したくなる場面は多い。 トラディショナルなやり方であれば、仮想マシンを用意して cron などで処理を呼び出すと思う。 もちろん、それでも良いんだけど、よりシンプルに実装したい気持ちが出てくる。 具体的にはマシンの管理をな…

Python: TrueSkill が収束する様子を眺めてみる

TrueSkill は 2 人以上のプレイヤーまたはチームが対戦して勝敗を決める競技において、プレイヤーの実力を数値にする手法のひとつ。 TrueSkill は Microsoft が開発して特許や商標を保持している。 そのため、アルゴリズムを商用で利用するためには同社から…

Python: LightGBM v4.0 の CUDA 実装を試す

LightGBM のバージョン 4.0.0 が 2023-07-14 にリリースされた。 このリリースは久しぶりのメジャーアップデートで、様々な改良が含まれている。 詳細については、以下のリリースノートで確認できる。 github.com リリースの大きな目玉として CUDA を使った…

Python: pandas-profiling は ydata-profiling にリネームされた

Python の EDA 用フレームワークとして有名な pandas-profiling は ydata-profiling に名前が変更された。 まだ意外と知られていないようなので、今回はそれについて書いてみる。 使った環境は次のとおり。 $ sw_vers ProductName: macOS ProductVersion: 13…

Python: scikit-learn の LabelEncoder を説明変数の変換に使うのは誤り

scikit-learn の LabelEncoder を説明変数の変換に使っている例はたくさん見つかる。 しかし、実は本来 LabelEncoder は目的変数の変換に使うことが想定されていることは、あまり知られていない。 これは公式のドキュメントで確認できる。 scikit-learn.org …

Python: Pandas 2 系ではデータ型のバックエンドを変更できる

Pandas の 2 系から、新たにデータ型のバックエンドという考え方が導入された。 これは、端的にいうと DataFrame のデータをどのような形式で持つかを表している。 たとえば Pandas 2.0.0 の時点では、次の 3 つからバックエンドを選ぶことができる。 NumPy …

Python: Polars の DataFrame をゼロコピーで Pandas の DataFrame に変換する

Polars の DataFrame は to_pandas() メソッドを使うことで Pandas の DataFrame に変換できる。 このとき、デフォルトではメモリのコピーが生じる。 pola-rs.github.io ただし、オプションとして use_pyarrow_extension_array=True を渡すとゼロコピーで変…

Python: Polars で各種エンコーダを実装したライブラリ「Shirokumas」を作った

最近は Polars が気に入っていて、主にプライベートで使っている。 ただ、エコシステムという観点では Pandas に比べて発展途上の段階にあると思う。 そこで、今回は発展の一助として「Shirokumas」というライブラリを作ってみた。 github.com どんなライブ…

Python: DuckDB と Polars を組み合わせて使う

DuckDB のバージョン 0.7 で Polars とのインテグレーションが強化された。 たとえば Polars の DataFrame に対して DuckDB の Python API で直接クエリを発行できるようになったらしい。 また、DuckDB で実行したクエリの結果を Polars の DataFrame に変換…

Python: LightGBM の学習率と精度および最適なイテレーション数の関係について

勾配ブースティング決定木 (Gradient Boosting Decision Tree; GBDT) では、以下が経験則として知られている。 学習率 (Learning Rate) を下げることで精度が高まる 一方で、学習にはより多くのイテレーション数 (≒時間) を必要とする しかしながら、上記が…

Python: Polars で行・列が省略されないようにする

今回は Python のデータフレームライブラリの Polars で、データフレームを表示するときに行と列が省略されないようにする方法について。 結論から先に述べると、省略したくないときは pl.Config.set_tbl_cols() と pl.Config.set_tbl_rows() に負の整数 (た…

Target Encoding のスムージングについて

Target (Mean) Encoding の出典は、2001 年の ACM SIGKDD Explorations Newsletter, Volume 3, Issue 1 に掲載された以下の論文らしい。 https://dl.acm.org/doi/10.1145/507533.507538 この論文には Target Encoding のスムージングに関する詳しい記述があ…

Python: PyTorch でバックプロパゲーションが上手くいかない場所を自動で見つける

PyTorch を使っていると、はるか遠く離れた場所で計算した結果に nan や inf が含まれることで、思いもよらない場所から非直感的なエラーを生じることがある。 あるいは、自動微分したときにゼロ除算が生じるようなパターンでは、順伝搬の結果だけ見ていても…

Python: category_encoders の CatBoostEncoder を用いた OrderedTS の算出と多値分類タスクへの拡張について

データ分析コンペなどでよく利用される Target Encoding という特徴量抽出 (Feature Extraction) の手法がある。 これは、ターゲット (目的変数) の情報に基づいて、カテゴリ変数ごとの期待値を説明変数として利用するもの。 Target Encoding には、いくつか…

Python: Pandas で np.float16 はサポートされていない

まったく知らなかったんだけど、Pandas はカラムの型として NumPy の float16 (16 ビット浮動小数点型) をサポートしていない。 これは、以下の Issue で説明されている。 どうやら、プラットフォームによっては float16 を利用できないため対応が難しいらし…

pyenv を使って Ubuntu に複数バージョンの Python をインストールする

今回は Python のインストールマネージャである pyenv を使って、簡単に複数のバージョンの Python を Ubuntu にインストールする方法を書く。 Python でソフトウェアを開発する際には、バージョン間の差異に配慮する必要がある。 そのため、開発する環境で…

Ubuntu の APT で入る Python 仮想環境系のパッケージを使う

最近は Docker などのコンテナ技術の台頭もあって、プログラミング言語に固有の仮想環境を使う人は以前より減った印象がある。 とはいえ、手元でササッと検証するときなどには便利なことに変わりはない。 今回は、Ubuntu を使って APT で入る Python の仮想…

いつの間にか MLflow Tracking Server が Artifact のプロキシに対応していた

以前の MLflow Tracking Server では、アーティファクトを保存する場所については URI としてクライアントに伝えるだけだった。 クライアントは、サーバから教えてもらった URI に自分でつなぎにいく。 この形では、アクセスするためのクレデンシャルがそれ…

Python: 集約特徴量を作るための scikit-learn Transformer 互換クラスの実装例について

ふと、集約特徴量を作るための scikit-learn Transformer 互換な実装を巷であまり見かけないなと思った。 そこで、自作しているものを公開してみる。 使った環境は次のとおり。 $ sw_vers ProductName: macOS ProductVersion: 12.4 BuildVersion: 21F79 $ py…

Apple Silicon 版の Mac で Miniforge を使ってサードパーティ製のパッケージをインストールする

これを書いている現在 (2021-11)、Apple Silicon 版の Mac を使って Python の開発環境を整えようとすると、なかなかしんどい。 しんどさの主な要因は、サードパーティ製のパッケージが Apple Silicon をまだサポートしていない場合が多い点にある。 たとえ…

Python: PyTorch の MultiheadAttention を検算してみる

今回は、言わずと知れた Transformer 1 において、処理の中心的な役割を果たしている (とされる) Multi-Head Attention を扱ってみる。 これは、Scaled Dot Product Attention という処理を改良したもの。 PyTorch には Multi-Head Attention の実装として M…

Python: Luigi の DateIntervalParameter について

バッチ処理に特化した Python のデータパイプライン構築用のフレームワークに Luigi がある。 今回は、特定の時系列的な範囲を Task が受け取るのに使える DateIntervalParameter というパラメータを紹介する。 これは、たとえば一週間とか一ヶ月あるいは特…

Python: Luigi の RangeDaily 系の使い方と注意点について

Python の Luigi はバッチ処理に特化したデータパイプライン構築用のフレームワーク。 バッチ処理に特化しているとあって、定期的に実行する系のユーティリティも色々と用意されている。 今回は、その中でも特定の期間に実行すべきバッチ処理をまとめて扱う…

Python: PyTorch の GRU / LSTM を検算してみる

以前のエントリで扱った Simple RNN の検算は、個人的になかなか良い勉強になった。 blog.amedama.jp そこで、今回は Simple RNN の改良版となる GRU (Gated Recurrent Unit) と LSTM (Long Short Term Memory) についても検算してみる。 使った環境は次のと…

Python: PyTorch の RNN を検算してみる

今回は、PyTorch の RNN (Recurrent Neural Network) が内部的にどんな処理をしているのか確認してみる。 なお、ここでいう RNN は、再起的な構造をもったニューラルネットワークの総称ではなく、いわゆる古典的な Simple RNN を指している。 これを書いてい…