CUBE SUGAR CONTAINER

技術系のこと書きます。

Ubuntu20.04LTS

Python: TabNet を使ってみる

一般に、テーブルデータの教師あり学習では、勾配ブースティング決定木の性能の良さについて語られることが多い。 これは、汎化性能の高さや前処理の容易さ、学習・推論の速さ、解釈可能性の高さなどが理由として挙げられる。 一方で、ニューラルネットワー…

Ubuntu で iputils をビルドして異なるバージョンの ping(8) を使う

Ubuntu にインストールされている ping(8) の挙動が、バージョンによって微妙に異なることに気づいた。 そこで、あらかじめインストールされているのとは異なるバージョンをビルドして動作を確認することにした。 今回は、その手順についてメモしておく。 な…

Linux の IPC Namespace について

Linux のコンテナ仮想化を実現する機能の一つに Namespace がある。 Namespace はプロセスが動作する際のリソースをカーネルの中で隔離 (分離) する仕組み。 Namespace は隔離する対象のリソースによって色々とある。 man7.org 今回は、その中でも IPC (Inte…

nvidia-smi(1) で GPU にパワーリミットを設定して消費電力や発熱を減らす

自宅にあるオンプレマシンでグラフィックカードを GPGPU の用途に使用していると、消費電力や発熱は切実な問題になりうる。 特に昨今は電気代の値上がりも著しいし、発熱は製品寿命の短縮や夏だと室温の上昇につながる。 そこで、今回は Linux の環境で nvid…

NVMe ストレージのデータを nvme-cli(1) で完全に消去する

ストレージ機器を破棄または譲渡するときには、漏えいを防ぐためにあらかじめデータを消去しておく必要がある。 このとき、データの消去は後から読み取りが難しいように実施しなければいけない。 後から読み取りが難しい形でデータを消去することは Secure E…

pivot_root について

今回は、Linux でプロセスのルートファイルシステムの場所を変更する機能の pivot_root について扱う。 プロセスのルートファイルシステムを変更するのは、古典的な chroot を使っても実現できる。 ただ、chroot は隔離したはずのルートファイルシステムから…

Linux の Network Namespace と Keepalived でルータの冗長化を試す

今回は「Linuxで動かしながら学ぶTCP/IPネットワーク入門」に載せようか悩んで、結局は載せなかった内容のひとつを扱う。 Linux の Network Namespace を使って作った 2 台のルータを、Keepalived (VRRP) を使ってホットスタンバイで冗長化する構成を組んで…

ClusterShell を使って複数のマシンを SSH で並列に操作する

複数のマシンを使って動作検証をしていると、ログインやコマンド入力の操作が煩雑になる。 また、複数のマシンに共通で必要な操作があったりすると手数もかさむ。 今回は、そういった問題を緩和できる ClusterShell について扱う。 ClusterShell を使うと、…

chroot について

今回は、Unix の古典的な機能のひとつである chroot について扱う。 chroot を使うと、特定のプロセスにおけるルートディレクトリを、ルートディレクトリ以下にある別のディレクトリに変更できる。 今回扱うのはコマンドラインツールとしての chroot(8) と、…

Linux の PID Namespace について

Linux のコンテナ仮想化を構成する機能の一つに Namespace (名前空間) がある。 Namespace は、カーネルのリソースを隔離して扱うための仕組みで、リソース毎に色々とある。 今回は、その中でも PID (Process Identifier) を隔離する PID Namespace を扱って…

C: glibc のバージョンをライブラリ関数・定数から取得する

今回は glibc のバージョンをライブラリ関数と定数から取得する方法について。 結論から先に述べると gnu_get_libc_version(3) か、定数の __GLIBC__ と __GLIBC_MINOR__ から得られる。 使った環境は次のとおり。 $ lsb_release -a No LSB modules are avai…

Linux の UTS Namespace について

Linux のコンテナ仮想化を構成する要素の 1 つに、カーネルの Namespace (名前空間) という機能がある。 Namespace には色々とあるけど、今回はホスト名と NIS (Network Information Service) 1 ドメイン名を隔離する仕組みを提供している UTS Namespace に…

Linux: fork(2) で子プロセスの終了理由を判定する

今回は fork(2) で子プロセスの終了理由を判定してみる。 結論から先に述べると、子プロセスの終了を待つとき wait(2) に int のポインタを渡すと終了理由をセットしてくれる。 それをマクロで判定していけば良い。 linuxjm.osdn.jp 使った環境は次のとおり…

Linux: util-linux を gdb でデバッグする

util-linux に含まれるコマンドの振る舞いを動的に解析したい場面があったので、手順を書き残しておく。 使った環境は次のとおり。 $ cat /etc/lsb-release DISTRIB_ID=Ubuntu DISTRIB_RELEASE=20.04 DISTRIB_CODENAME=focal DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 20…

Network Namespace 内の Linux Bridge では STP が動作しないらしい

どうやら、今のところ Network Namespace 1 内では Linux Bridge の STP (Spanning Tree Protocol) がサポートされていないようだ。 今回は、以下のような実験を通して、それを実際に確かめてみる。 単一の Linux Bridge 内にループを作ってストームを引き起…

Linux の Mount Namespace について

Linux のコンテナ仮想化を構成する要素の一つに、カーネルの Namespace (名前空間) という機能がある。 これは、プロセスが動作する際のリソースを Namespace という単位で隔離して扱うための仕組み。 以下のとおり、隔離する対象によって Namespace は色々…

Overlay Filesystem と Docker について

Linux で利用できるファイルシステムの一つに Overlay Filesystem (OverlayFS) がある。 このファイルシステムは、Docker が推奨しているストレージドライバの overlay2 が利用していることで有名。 今回は、そんな OverlayFS を Docker を介さずに扱ってみ…

iproute2 の ip-netns(8) を使わずに Network Namespace を操作する

今回は、iproute2 の ip-netns(8) を使わずに、Linux の Network Namespace を操作する方法について書いてみる。 目的は、namespaces(7) について、より深い理解を得ること。 使った環境は次のとおり。 $ cat /etc/lsb-release DISTRIB_ID=Ubuntu DISTRIB_RE…

Python: NumPy の empty() / zeros() を呼び出した直後は物理メモリの使用量が増えない

表題のとおりなんだけど、NumPy の empty() や zeros() は呼び出した直後はメモリの RSS (Resident Set Size) が増えない。 ようするに、呼び出した直後は配列に物理メモリが割り当てられていない、ということ。 今回は、そのせいでちょっとハマったのでメモ…

Ubuntu 20.04 LTS に後から GUI (X Window System) を追加する

Ubuntu 20.04 LTS のサーバ版をインストールした場合には、デフォルトでは GUI 環境が用意されない。 しかし、後から必要になる場合もある。 今回は、そんなときどうするかについて。 なお、必要な操作は Ubuntu 18.04 LTS の場合と変わらなかった。 使った…

Python: MLflow Projects を使ってみる

MLflow は MLOps に関連した OSS のひとつ。 いくつかのコンポーネントに分かれていて、それぞれを必要に応じて独立して使うことができる。 今回は、その中でも MLflow Projects というコンポーネントを使ってみる。 MLflow Projects を使うと、なるべく環境…

Python: CatBoost を GPU で学習させる

勾配ブースティング決定木を扱うフレームワークの CatBoost は、GPU を使った学習ができる。 GPU を使うと、CatBoost の特徴的な決定木の作り方 (Symmetric Tree) も相まって、学習速度の向上が見込める場合があるようだ。 今回は、それを試してみる。 使っ…

C: 静的ライブラリと共有ライブラリについて

C 言語で書かれた静的ライブラリと共有ライブラリについて、いまいち理解がちゃんとしていなかったのでまとめておく。 ライブラリというのは、複数のアプリケーションで使われるような共通の機能をまとめたものをいう。 今回使った環境は次の通り $ cat /etc…